4日間だけ好きと言って そして私は好きになった
26歳男性。
普段は普通の国内企業で働いてるサラリーマン。
全4話の物語。毎日連載していきます。
私の家はお見合い家系。
姉も兄も僕もお見合いをすることを義務付けられてる。
宗教みたいとか、古風だね、と周りから言われるけど、
特に嫌だと思ったことは不思議とない。
そんなとき、兄にお見合いの話が入った。
相手は僕もよく知るあゆちゃん(仮称25歳)。
地方公務員で働いてるバリバリのキャリアウーマンだった。
あの子はたしかにいい子だし、兄に合うかも!
親に相談された私は即答した。
そのあと2人のお見合い話はとんとん進み、
1ヶ月に1.2回のペースで会っているらしい。
そして私は12月になってから夜に時間ができたのもあり、そのあゆちゃんに兄との見合い話の相談やアドバイスをするようになっていった。
最初はもちろん義理の兄弟になる者として。
兄に幸せになって欲しい。
あゆちゃんにも幸せになって欲しい。
そう思っていた
はずだった。
12/20 (月)
あゆちゃんは誘われていた飲み会に行くと言いだした。
そのことを聞いた僕はなぜか胸がしめつけられるような想いをした。
20時になってもLINEが返ってこない。
今日は18:30に電話すると言ってたから、なにかあったのかな。大丈夫かな。
僕はだんだんあゆちゃんにのめり込んでいく、もう1人の自分を発見してしまった。
21時を回って、
突然鳴り出した携帯。
画面をみると相手はもちろん あゆちゃん。
声を聞いて安心したのと、同時に
なにか違う感情が出てくるのを鮮明に感じた。
好きだ。
"最近誰よりもあゆちゃんのことが好きな気がする。"
驚いたような反応のLINEが返ってきた。
んん?
んー。
ん?
"私も好きですよー笑"
この
"ん"
だけで、なんとなく分かった。
きっとあゆちゃんも僕が好きなんだと。
その夜
僕たちは想いを打ち明けた。
でも、それと同時に開けてはいけない扉を開けたんだと思った。
なぜなら僕は結婚しているから。
そしてあゆちゃんのお見合い相手は、僕の兄だから。。